江戸時代創業の老舗佃煮屋
ブランド・リニューアル
Project
ブランドリニューアルと海外市場開拓を狙う新商品開発・ECサイト再構築
Client
株式会社 総本家新之助貝新
Location
三重県 桑名市
Period
2021年11月 〜 2023年4月時点継続支援中
Service
ブランディング
C.I.リニューアル
新商品開発
越境EC構築
海外向けSNS運用
SNSグロース
インフルエンサー
長期伴走支援
Budget
約600万円〜
Backgrounds
プロジェクトの背景
総本家新之助貝新様の祖業は遡ること17世紀ごろ。
400年以上前にはすでに桑名の地で焼き蛤の商売をしていた記録が残る、老舗の高級佃煮ブランドです。
一方で、佃煮(貝新様では”志ぐれ煮”と名付けています)の国内需要は年々減り続けています。
また、海洋環境の激変により、豊かな貝類の漁場であった伊勢湾では、二枚貝がほとんど水揚げされなくなってしまうなど、大きな環境変化に直面しております。
このような状況の中、これまでの400年の伝統を次の400年も守り繋いでいくため、若年層をターゲットに、新たな食の楽しみ方を提案すべく、ブランドの全面リニューアルを決断されました。
また、今後の日本の人口減少を見越し、海外市場開拓の必要性を感じられており、越境ECサイトの構築や海外向けマーケティングも視野にプロジェクトを開始いたしました。
Actions
アクションの具体
No.01 ブランドパーパスの再定義とナラティブ・スクリプトの作成
まず、新之助貝新様がこの世の中・社会にどのような価値を提供してきたのか、そしてこれからどう貢献しようとしているのか(パーパス)、を明文化していきました。ミッション/ビジョン/バリューを定義する前に、わかりやすく「何のために自分達がいるのか?」という問いに解像度高く・具体的に答えを用意します。
このプロセスにより、新之助貝新様の中でもぼんやりしていたブランドの歴史を踏まえた存在価値が、クリアに我々マーケターやクリエイターにも共有されます。
これにより、以後の活動での認識のずれを防ぎ、精度の高いクリエイティブや新商品につなげていきます。
このプロセスの最後にまとめた文章を新之助貝新様にご確認いただいた際に伺った言葉は今でも忘れられません。
「ありがとう。こんな素敵な文章にまとまって、涙が出る」
と同時に、目元を拭われていた光景は、このプロジェクトの忘れられない瞬間であり、里山マーケティング事務所の存在意義を再認識できた瞬間でもあります。
No.02 ブランドロゴとタグラインの新規開発
解像度高く、関係者で繰り返し議論し明文化したパーパスやMVVをもとに、具体的なブランドロゴやタグラインの検討を進めます。
えてして「ブランド化」「ブランディング」というと、商品名やロゴを新たに作ることが目的化してしまいますが、特に老舗ブランドなど、すでにお客様の中でイメージが形成されている場合、細心の注意が必要です。
専門用語で「丁度可知差異」と言いますが、「これまでとは違う・変わった」ということと同時に、「これまでと同じである」という相反する情緒価値を実現する必要があります。
単なるロゴマークとそれに添えるキャッチコピーの検討とも言えるのですが、我々はこの工程に数ヶ月の時間をかけます。今回は、海外市場開拓を視野に入れていたため、シンガポールの消費者へのデザイン需要性調査も実施しています。
No.03 新ブランド商品開発
新ブランドのクリエイティブ開発などと並行して、ブランドリニューアルの象徴となる、シンボリックプロダクトの開発を支援いたしました。
今回のターゲットにあう商品開発が得意な料理研究家などの専門家をアサインメントし、新之助貝新様とともに、試食や議論を繰り返し、仕上げていきました。
ポイントは、ブランドを深く理解するマーケターが料理研究家をディレクションすること。
新商品開発はえてして、プロダクトアウト目線になってしまうことが多いと考えています。
一方、ブランディングの観点からは、「このブランドの商品はこういう雰囲気や機能性であるべきだ」という一定の範囲のようなものがあります。消費者の嗜好、新之助貝新様の思いなどを整理し、長くブランディングに資する愛される商品を目指しました。
No.04 新商品パッケージング開発
商品のパッケージングもブランドにとって非常に重要な要素です。
製造工程での扱いやすさ、また印刷時のコストなども勘案しながら、現実的でありながらも、消費者から「一番印象に残りやすく、一番好きになってもらえる」商品パッケージを開発します。
新之助貝新様のプロジェクトでは、合計5パターン程度のデザインを検討し、モックアップ(実際に印刷し商品をパッケージングしてみる実物サンプル)も複数回制作し、完成させています。
ブランドのパーパス議論からこのパッケージング開発まで、一流ブランドを担当しているアートディレクターとコピーライターと協働し、進めています。
都市部のデザイン事務所に依頼すると、1,000万円を超える作業量ですが、複業人材を個別でアサインメントするため、中間コストが発生せず、非常にクオリティの高いアウトプットが可能なプロフェッショナル人材をリーズナブルにアサインメントできるのです。
これが、里山マーケティング事務所の強みであると自負しています。
No.05 越境ECサイトと多言語WEBの構築
海外のお客さまに、いかに素早くリーチできるか。
これから多くの日本の地域のブランドが取り組まねばならない課題だと考えています。
私たちは、グローバルスタンダードのCMS(ホームページやネットショップを表示させるための仕組み)を利用し、長期留学経験のあるバイリンガルのメンバーが、スピーディーに越境ECサイトや多言語WEBサイトを構築します。
グローバルスタンダードの仕組みを使う、もう一つの大きなメリットに海外のエンジニアを活用できる点もあります。
ご存じのとおり、国内ではエンジニア不足が深刻化し、稼働コストが高騰しています。
そこで、我々は海外のエンジニアとのネットワークを駆使し、リーズナブルなコストでオンラインでの顧客接点構築を支援しています。
もちろん、各種決済手段の導入など細やかな設定も全て我々が行います。
No.06 最新のデジタル技術へのこだわり
ブランディングやマーケティングの世界にもデジタル化の波は押し寄せています。そして、その波は非常に早いスピードで日々進化し続けています。
MA / CRM といったデジタルマーケティングの最新の技術をいかにスピーディーに導入し活用できるかが、オンライン上のブランドの存在感に直結する時代です。
クライアントの皆様のビジネスのフェーズに合わせ、最適なタイミングで、活用のご支援をさせていただいています。
この手のツールは、最新の機能かつリーズナブルなものは全て英語になってしまいますが、里山マーケティング事務所のメンバーには長期の留学経験を持つメンバーもおり、翻訳からベンダーとのQA対応など、安心して任せて頂けます。